第23回世界ジャンボリー北海道隊

世界ジャンボリーでの体験を一言で表せば、「ものすごく楽しかった!」ですが、それ以上に圧倒される出来事の連続でした。今回は北海道・東北ブロックの日本派遣隊第4分団の北海道隊の一員として、全国そして世界の仲間とともに山口県・きらら浜で特別な日々を過ごしました。

「世界ジャンボリーとはいえ日本国内開催だから…」と少し気軽に考えていましたが、会場のメインゲートをくぐった瞬間、その思いはすぐに打ち砕かれました。会場の各所や受付には様々な言語が飛び交い、日本語がなかなか通じない。交通誘導や受付のスタッフのほとんどが外国のスカウトやボランティアで、日本にいながら世界中の仲間と直接触れ合うダイナミックな空間に、「ここは本当に日本だろうか?」と錯覚するほどでした。

サイトに到着すると、北海道から参加した隊員37名で協力しながら、SC本部への物資受け取り、テントやタープ設営など初の大規模な共同作業が始まりました。配布されたタープテント4張の設営では、想定外の強風やピンペグ不足、張り綱の長さなど課題が続出。「北海道の野外活動の経験でどう乗り切れるか…」と全員が知恵を絞り工夫し合い、チームの連帯感が一層強まりました。地元で身につけてきた野営技能が世界の大舞台でも活きることを実感した瞬間でした。

集会では、「スカウト精神や基本技能、日常のしつけ」がいかに大切かを改めて痛感しました。北海道で養われた野営力はもちろん、不自由や困難の中で自ら工夫する力、仲間への思いやりやけじめ、自然を大切にする心、来た時より美しくして帰る姿勢など、日々の体験の積み重ねが国際大会でも役立つ場面が数多くありました。そうした日常の基礎があってこそ、世界的な規模のイベントも存分に楽しみ、自分自身の成長の場にできたのだと思います。

ジャンボリーには世界155以上の国や地域から約34,000人のスカウトが集い、「小さな地球村」の住民として共に生活しました。日本代表派遣隊第4分団北海道隊も北海道からの仲間たちで団結し、多様な文化・言語・生活習慣と交わりながら、挨拶やコミュニケーション、日常のルールや安全意識などを率先して学び、発信しました。世界の指導者やスカウトとも多く交流し、日本スカウトだけでなく「世界スカウトの一員」である誇りを新たに胸に刻みました。

会期中、北海道の派遣隊はサブキャンプサイトでの班活動や野営生活、食材受け取りと調理の分担、清掃や安全確認など、あらゆることを仲間同士で協力して成し遂げました。モジュールアクティビティ(地球開発村、ネイチャー、カルチャー、サイエンス、コミュニティ、ウォーター、広島ピース)にも参加し、世界課題を体験的に学ぶ有意義な時間となりました。ウォーターアクティビティやフリークライミング、自然を五感で味わうプログラム、地元の人々や海外スカウトとの交流が続き、北海道の自然で育まれたたくましさが随所で発揮できました。

印象に残ったのは世界スカウト機構のスコット・ティア事務総長による閉会式での言葉です。「和の心で集った仲間が世界を変える力を持っている」。国家や人種、宗教を越えてスカウト仲間と生活し、平和という普遍的なテーマに共感する体験は、北海道という大自然で育った自分たちにも新たな使命感を与えてくれました。「日本ジャンボリーとはまるで違う、夢のような2週間」だったという声が仲間からも多く聞かれました。

また北海道・東北ブロックの参加者同士、普段は広大なエリアで活動する遠く離れた仲間たちと語り合い、次のステップへ向けて誓いを新たにしました。朝夕の班点検や自由参加のスポーツ、音楽交流や文化紹介パフォーマンス、日本の伝統文化や食を世界に伝えるプログラムでも、地元北海道の紹介や郷土愛を強く意識しました。

最後にこのジャンボリーを通して、「チームワーク」と「仲良し」は決して同じではなく、本当の連帯は目標や課題に向けて協力し合う中でこそ生まれることを体験しました。不自由の多い野営環境や文化の違い、言葉の壁を乗り越え、時には課題に順応しながら改善や工夫を楽しむ――こうしたプロセスがグローバルリーダーとしての資質を育ててくれたことを実感しています。

世界のスカウト仲間との「交歓」は、単なる物の交換ではなく心の交流であること。「One of the Scouts of the World」という誇りを胸に、北海道代表としての自覚と責任、次世代を導く意志をさらに強く持ち続けたいです。

23WSJは、北海道のスカウトたちにとって、自分のルーツ、学び、そして世界への視野を広げる人生で最も大きな転機となりました。この特別な体験を胸に、今後も「和」の心、協調、平和、友情を大切にし、Scouting for a Better World を実現すべく、日々の活動につなげていきます。

Media Center スタッフとして参加して感じたこと

第23回世界スカウトジャンボリー(23WSJ)は、世界各地から多様な背景を持つスカウトたちが集う一大イベントであり、多くのボランティアや企業からの支援で成り立っています。この大会で印象に残ったことは、参加者の多様性と、それを支えるスカウトたちの姿勢の素晴らしさです。

大会運営のために集まったボランティアたちは、割引もなく、交通費も自腹であるにもかかわらず、熱意を持って懸命に働いています。その仕事内容は受付や会場設営に留まらず、誰もが嫌がるトイレ掃除や医療支援まで多岐にわたります。こうした縁の下の力持ちの存在が、大会全体を支えています。

また、参加するスカウト同士には国籍や人種、地域の違いは全く感じられませんでした。身体的なハンディキャップを持つスカウトも多く参加しており、それを補うための工夫が随所に見られました。例えば、大きなリヤカーや改造された車いすを利用し、それらを補助するスカウトたちはハンディキャップを意識することなく自然に支え合っていました。こうした姿勢は非常に感動的で、まさにスカウトの精神が根付いていることを感じさせます。

さらには、自転車でけん引する乳母車に赤ちゃんを乗せて参加するような、普段の日本では考えられないスタイルも見られました。世界のスカウトたちは、多様な背景や事情を受け入れ、互いに尊重し支え合いながら活動しているのです。

このように、第23回世界スカウトジャンボリーは日本のスカウト活動とは異なり、多様性を自然に受け入れ、それを力に変えている大会でした。古い世代の者として、こうしたスカウトたちの行動力や連帯感には深く感銘を受けました。この大会から多くのことを学び、今後の活動に活かしていきたいと思います。

この経験から、世界のスカウトの凄さは単に技術や知識にとどまらず、ボランティア精神、他者への思いやり、多様性の尊重にあると言えます。23WSJでの出会いや体験は、参加したすべての人の心を豊かにし、未来への希望を感じさせるものでした。これからもこの精神を胸に、ボーイスカウト活動を広げていきたいと考えています。